雪隠組立修理保存工事        20171010 改訂            

 雪隠の軸部の繕いは主屋などと同様な作業工程で進めています。栗の木の伐採はせず、雪隠に落ちそうな枝のみを伐採しました。

 栗の花は六月に咲くのですが、切られた栗は新芽は出ましたが、
花は咲きませんでした。桃栗三年柿八年ですので、三年待ちです。
 栗の花
 栗の花は確認できなかったのですが、9月に実を付けているのを確認しました。
20170925撮影

 二連の穴の強度を高めるため石積みをします。

 地下水の流れが変わったことなどもあり、多量に水が流れ込みます。本来の用途通り肥溜めであれば問題ありませんが、建物保存には不適。
 この石積みの上に土と漆喰を混ぜたハンダを塗ります。光作業を行い礎石への柱の乗りを確認後、軸部を組み立てます。

 屋根工事はまず根太を張り屋根小舞竹で作りあげます。

 屋根竹小舞は藤の蔓によるカズラ編です。

 解体時杉の皮もありましたがよしず張りで統一します。

 左官工事は壁の荒壁塗り穴のハンダ工事になります。

 
 雪隠の平瓦は古い瓦で他の建物の再利用可の瓦を使用し土で高さ調整をします。

 棟に丸瓦を乗せ漆喰を塗ります。

 棟の下の狭い箇所、雀口の塗る作業は手間が掛かります。
 以前のは下の状態ですから、見違えった感じです。

 穴の水止めは有効な手段がなく、近代的手法で水を止めました。

 板戸も作り替え、雨落ち砕石も整い竣工です。

           20180401 撮影
 右のブルーシート下には70数年前のリヤカーがあります。
 こんな方が遊びに来ました。


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