● 釘仕舞
柱などに残された釘及び釘穴は、建立後の修理修繕の有無の調査など重要な情報となります。
白□(和釘使用箇所)、赤□(和釘穴跡)、白○(洋釘使用箇所)、赤○(洋釘穴跡)で資材に白赤墨で記録します。下の写真は米蔵白□と白○が見えます。
和釘について紹介します。
和釘は明治以前に使用されていた釘で、現在の釘のように丸でなく四角です。
柱、床板などの資材から釘を取り除きます。これを釘仕舞と呼んでいます。
この釘仕舞で使われる和釘用の道具を紹介します。
右側のベンチは関係ありません。
上側が釘抜きで下側が頭出し用の道具です。頭出しは、下の写真のように和釘が四角で先は細く、段々太くなる形状を利用しています。
頭出しの用具を釘に差込み、釘の太さが用具の穴の大きさが小さな部分で頭を押し出します。
押し出された頭に引っ掛けて抜く方法では、古くなった釘の頭が取れてしまうので、釘の芯を挟み梃の要領で抜きます。下写真の左側が梃開始です。
梃の力が資材に当たる箇所に鉄板を敷いて、資材に疵が付かないようにしています。
これらの道具は最近作られてようです。以前は木製だったようです。