● 竹節欄間                              2014年6月30日 追加あり

竹節欄間
 
竹の節とは、竹の節状の繰形を持った束のことです。これを立て、横木を通して斜材をはめ込んだものを竹節欄間といいます。寺院、客殿などによく見られます。上と下、聖と邪などの区切りと使われています。

中心部と両端に竹の節の彫り物がある

中心部

端側

 

高知城「懐徳館」にも竹節欄間があります。
その欄間には、二重の「×」がデザインされています。
バツは罰に通じるとも言われ、一般にはまず使われないそうです。
寺や神社にはあり、結界や禁止、普通とは違う領域を表しています。
安岡家座敷の欄間にある上が切れたバツと、前述の「×」との関連は不明です。また、以下の青源寺の構造もあり、ひとまとめでは言えないようです。

琴平宮にある大書院の竹節欄間は大きさは倍ですが、形状は安岡家の似ています。

    
    佐川 青源寺の竹節欄間(2007年11月25日撮影)


 金刀比羅宮  大書院の竹節欄間(金刀比羅宮パンフレットから)  

 
 安岡家座敷部次間から本間を竹節欄間を通して見る(2007年3月撮影)
 
 上の写真では竹節欄間の中心部が天井の棹に下がっているよう見えます。
 修理保存工事で座敷部の天井が取除かれました。
 そこには竹節欄間の中心部が天井の棹を抜け梁に確りと固定されていました。

 
 
梁とは釘で固定されています。
 

居室部の欄間                   2014年6月30日 追加

 
現在の居室部も、当初は床の間を持った客間もありました。
 その関連か居室部の欄間も同じように梁に掛けてあります。

 
                                         2014年2月5日撮影
 
居室部にこのような吊下げた欄間が2ヶ所あり、もう一つは次の写真の
ようにクサビが挟んでありました。

 

 聞くところよると、この欄間は当初の場所から移動し、そのためクサビで固めたとのことです。
 

竹節欄間の取外               2014年6月30日 追加
 
 主屋も軸部を残す半解体から全解体となり、竹節欄間も取外すことになりました。
 まず、梁の固定部分を取り外します。

 
 撮影の方向がずれていますが、右側梁に固定され、右が取外した状態です。
 横木が天井棹の上に乗っています。
 棹を動ける状態にして竹節束を叩きます。

 
 下の受けていた梁の仕口(彫り込み)が、上の写真で左側が細く、右側が広くなっています。
 広い方に移動

 

するとポコと上に抜けます。

上の写真で右側に天井の棹が写っています。向きが90度違いますが、そこにも
細太の仕口が見えます。棹を移動させながら抜くのでしょう。木の柔軟性を利用
した作り、その柔軟性が200年以上経ても保たれているのです。


竹節欄間の取付け始まる        2016年7月7日 追加
 
  座敷部の土壁工事と同じ時期、竹節(欄間なし)を取付けました。
 ブレスが見え何か以前と異なりますが、天井が張られれば違和感はなくなるでしょう。

 

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