● 蟻壁長押柱の細工
主屋の客間解体で蟻壁長押の柱の壁で隠された部分も出てきました。
番屋の南面で壁土で隠されている番屋の柱の細工を思い出しました。
8メートルを越える一本の梁を数本の柱で支えています。
写真は内側からこれらの柱を撮影しています。
これに土壁が塗られ柱は隠れます。南面から土壁を塗った状態です。
さらに漆喰で一面の白壁になります。
これらの柱の上部の壁が塗られた箇所には数多くの次のような傷がありました。、
サメハダとか呼ぶ土壁を付きやすくする細工とのことでした。
座敷部の蟻壁長押の柱は一旦隠れますが、上に当然続いています。
隠れた箇所を見ると、壁分柱が薄くなっているのが分かります。
この壁を取り除くと薄く柱を削った箇所が出てきます。
薄くなった箇所も番屋の柱と同様なサメハダ細工で上に土壁塗りこんでいると
思ったのですが、違っていました。
手の込んだ細工、表に出してもよいような作りでした。
上の写真がその細工です。
菱形を掘り込んだのでなく、斜めに少し押し上げているように見えます。
これがこんな感じで立ち土が塗られていたのです。
座敷部の細工が文化7年、番屋の細工が文政13年です。
20年でのこの作りの差はなにでしょうか、効率化、技能劣化でしょうか。
道具蔵の窓で土壁で塗り込まれる箇所にも同じ細工がありました。
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