主屋の解体で発見した墨書(その2)    2014年6月30日 新規          

 座敷などで発見した墨書を「墨書(その1)」で紹介しました。
 2014年2月に解体が進み床の間の下板、天井裏からも墨書が出てきました。
 次のその場所を紹介します。赤字箇所がそれです。
 
 

・ 座敷の床板の墨書
 発見時の状況を業者さんの報告を引用しますが、次の通りです。
 「主屋の座敷のトコ・タナ、次の間のタナを取り外したところ、
 座敷トコの板床(板下地に畳表を張ったもの)の下地板の裏面から大工名」
 
 《以降、追記  薄いので明るさなどを変えて読むと 
            大工 山北 重介 
          冨家 ・・・と読み取りました。
 座敷の障子と床框に漆細工を施した記録があり、
 文政十一年 大工 悦蔵      となっています。
 座敷建立は文化七年の墨書がありましたので、床板を再利用したのでしょう。
 追記 ここまで》
(再度引用)
 座敷タナの地板(一番下の板)の裏面に板のネジレ止め
に取り付けていた掴み蟻という部材に墨書が確認されました。」(引用 ここまで)
 
 上の板には次の記載がありました。
 掴み蟻の和歌 以下色を変えています。
  恋しさに 尋しに(カ)も■ ・・・・・・・
 番屋の資材にも和歌が書かれていました。
 解読できていませんが、大工さんの余裕を感じます
 掴蟻の両脇には次の絵が描かれています。
 
 
 この絵、座敷・本間の床脇の書院棚に似ています。
 
 上の写真が座敷の書院棚です。

 もう一つはこれです。
 
 主屋にはありませんが、番屋にはには似たのがあります。軒支えです。
 少し回転すると似てきます。



・ 仁王般若              2014年6月30日 追加
 奉讀□仁王般若と書かれた札が設置されていはのは、座敷部の天井裏で竹節欄間
を吊っていた梁の脇でした。
 
 天井板の棹を吊るために吊り木のようです。
 
 奉讀□仁王般若 読めない箇所もあり意味を理解していません。
 教えて頂けないでしょうか。
 このような札を施主の了解なく大工の独断設置できるのでしょうか。
 それとも廣助が書いたのでしょうか。
 床の間天井裏の墨書には「武運長久」の文字がありました。郷士になった直後で
このような文字を選んだのでしょうか。
 分からないことばかりです。



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