座敷部修理(床の間 付近)工程 2017年4月8日
 
主屋の座敷部の床の間付近に注目した修理工事を紹介します。
 座敷部は漆喰壁で白く遠目には白蟻被害は見えません。
 
       2008年4月撮影
 正面が本間で襖左が次の間があります。その境に竹節欄間があります。
 これに反して床下は被害甚大でした。修理工事開始前に床下を見ました。
 
            2005年10月 撮影
 写真の板は畳板です。隙間から床の間に置いた祖父母の遺影が見えます。
 根太の大分朽ちています。それを支える束が細い。
 工事が始まり畳、襖、障子が取り除かれました。
 
         2013年10月撮影
 漆喰、壁土が剥ぎ取られ竹小舞が剥きだしになりました。
 上の写真とは90度逆方向から撮影しいています。

        2014年2月撮影
 この壁剥ぎ取りで次のものが見つかりました。
本間の床の間の壁から
何か土壁を抑えるためでしょうか。
ワッシャ、釘の形状から明治の作り込みでしょう。
 もう一つがこれです。壁に四角の枠が見れます。
 これらは貼り壁であった痕跡とのことです。
   
土壁の上に漆喰を塗ったのでなく、和紙を貼り付けた壁だったのです。
前の土留めの写真から明治に漆喰壁に変えたと推測できます。
上右側の「聴涛堂雅集戯圖」は漆喰壁に塗り直した後の画と推測します。
竹小舞、畳板を取り除き柱と根太、欄間だけとなりました。

     2014年3月 撮影 写真右側が床の間
 柱など全てを取り除き更地としました。

     2015年3月 撮影 ベニヤ板付近が床の間
 強化構造の鉄筋コンクリート打設、礎石の高さ調整した後に、
 表面の土を剥ぎ取り三和土(タタキ)打直す。ムシロを敷き養生する。

     2015年8月 撮影
 柱の繕いなどを行い立てる。

    2015年10月 撮影 奥の柱が床の間付近
 梁、棟など小屋組も組み立てられます。

     2015年12月 撮影 座敷を裏(北)側から見る
 竹小舞工事。竹小舞の右隣の黒板は構造強化用の壁。
 天井裏にも強化用の水平ブレスが取付けられています。

   2016年3月 撮影 座敷を東(床の間を右横)側から見る。
 荒壁塗りから裏かえしを行う。

   2016年6月 撮影 足場で隠れているが右奥が床の間
 天井板取付を始める。

  2016年8月 中央が竹節欄間の節の上部 左側が床の間
床の間中塗、上部は漆喰塗る。

   2016年11月 撮影 床の間の漆框が保護されている。
 貼り壁に和紙を貼る。解体壁の貼紙に模様の痕跡がないので白紙。

    2017年2月 撮影 床の間の壁に下貼紙 下はその拡大

 貼壁紙の枠が見える。
 畳が敷かれ、襖も入りました。貼り壁も上に一枚が貼られ真っ白。

     2017年3月 本間から次の間を見る


    2017年3月 次の間から本間を見る


   2017年3月 次の間から本間の床の間を見る。
          梯子は防災工事用。


   2017年4月 上写真右側の障子腰高板(下側板)
         の節穴をを扇板で塞いでいます
はぶら下げ照明は付けていません。夜になればこん感じの暗闇です。
    


               ● 主屋修理保存工事 先頭
                                  
               ● 修理保存工事状況 先頭

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