蔵は漆喰の箱です。屋根は柱に載せた棟、梁と組み合わせるのでなく、屋根に梁に置くなど、他の建物と工法が異なり、これを置屋根、鞘屋根と呼ぶそうです。米蔵に瓦を葺くまでの工程を紹介します。
まず米蔵を荒打で土の箱とします。
2018年1月29日 撮影
垂れ下げた荒縄を埋め込み、屋根の上の土を抑え込みます。
2018年2月26日 西側から撮影
のぼり梁を試しで置きます。
2018年2月27日 撮影
梁と屋根との納まりが微妙に悪い箇所は現場で鋸で一削りして調整します。
2018年2月27日 撮影
赤水糸で頂点の高さを確認します。経年により木の癖が出た捻りを器具で強制しています。建立当初この梁の重なり(×部分)には両部材を留める栓はありませんでした。上写真の左端の梁ですが、栓の穴がありません。
2018年2月27日 撮影
経年により木の癖が出た捻りを器具で強制しています。
写真では既に梁の木の下に高さ調整用の土に少し砂を混ぜた土が入れられています。概ね高さを確認して土を敷きます。
2018年2月27日 撮影
下側も水糸で高さを確認します。
赤水糸で頂点及び下端の高さを確認し水平にします。
全ての梁の切り口の水平を確認して置きます。
2018年2月28日 撮影
下地も落ち着いたころに母屋をドカと置きます。
2018年3月3日 撮影
乗せただけですが、安定を感じます。
棟を乗せ詮で留めます。
2018年3月4日 撮影
屋根の上を砂漆喰を塗り、垂木を置きます。 古材、新材が混じっているので現場で垂木の下端を切り整えます。
2018年3月23日 撮影
屋根のと梁を固定するのではなく、置くだけの屋根。瓦葺きの前準備が終了しました。
これから垂木に丸竹を置き、その上にヨシズを編んだのを乗せ土、瓦を葺いていきます。<続く 米蔵屋根瓦工事>
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