● 主屋修理保存工事 木組立工事

 主屋で全解体した古材はシロアリの被害が数多くありました。
 特に柱の足元は被害は指で押せば倒れるようでした。
 使えるものは極力使用の原則で同じ材種で補強工事を行います。補強で使用できないのは同じ材種で作り直します。これらの新に用意する資材はシロアリ被害のすくない材木の中心部をとします。
 梁などは太い部材の中心を木材の中心に置きます。

 上記写真の梁は樹齢約70年を越えています。
 主屋などの柱は細いです。柱を太くして重厚に見せるより、柱を細くして優美で広い空間を見せる作りです。構造としては弱いらしいですが、二百年を越える年月を過ごした家、今は構造的に強固にしてすぐ次の家に建替えられる家が多い。
 木材は中心の方が色々の面から強いので、施主側は木材の中心部を柱に製材したいのですが、木材の中心を切り出すと木材が切れ端だけとなってしまいます。
 柱が細いと木材の中心から柱を切り出すと木材は端切れだけとなります。良いもの使いたい施主側と、木材を効率良く製材したい材木提供側とのせめぎあいがあるようです。
 そのような古材、新材が集まり、

補強工事「木繕工事」(クリックで移動)を待っています。
 材木の上の漆の柄は槍カンナです。
 施主が製材の条件まで確認することは、現在は行われていませんが、昭和7年の秀彦の日記に城山高等小學校改築の資材確認に田野に出向いています。

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