● 座敷部 構造強化 水平ブレス
居室部と座敷部は必要な構造強化のL金具を使用しています。
座敷部は居室部より高いので構造計算から構造強化されています。
いずれも、壁の中あるいは天井裏で完成後は見ることはありません。
○構造強化壁
壁二ヶ所に構造強化用のボードが設置されています。
その工事は基礎工事から始まります。1メートル程整地面から掘り込み。栗石を敷き、捨てコンを行いそこに鉄筋コンクリート工事をします。
ここに軸となる鉄棒を出し、その上をタタキ、床下の基礎整地をします。
整地後二ヶ所から棒(下写真赤字の箇所)が出ています。
式台は今回の工事で新に見付かった座敷部の玄関口になります。
右の廊下を通って座敷に入ります。
ここに補強壁、補強金具が取り付けられます。
これらは床下、壁の中となり竣工時は外に出ていません。
○水平ブレス
水平ブレスは天井裏の梁に取り付けられます。その梁の保護などもあり、板で囲われます。この板は梁の凹凸に合わせ板が削られます。
水糸でこれらの板を水平ブレス設置位置で結び、位置などを確認しその上に鉄板で囲います。囲った鉄板同士をブレスで接続します。
鉄と竹小舞の対比、時代を越えた面白さがあります。
これを上から見下ろすと、
奥に煤で黒いが補強無しの居室部、手前の金属で補強された白い座敷部。
建立時期二つ違いの兄弟建物、永い時期を経てのこの違いは何か物語がありそうだ。
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