釜屋の井戸掘る
釜屋の井戸は下の絵図の「井」の位置にあります。
試掘の頁で示していますが、釜屋は台所設備の「ハシリ=料理場」、カマ、クド=火の設備、シヅ=排水設備、井=井戸(給水設備)が整っています。井戸はここに紹介しました東側と西側に井戸があります。西側の井戸は明治以降に掘られています。西の井戸は片側から掘っています。釜屋の井戸は、試掘の結果円錐形に掘り進んでいたと推定されます。パイプを埋め込む方式と違うので、時間と労力を要したのでしょう。掘り進めた整地面から味噌納屋増築の天保十年の以前、天保八年正月に下女が井戸に落ちた記録が文助日記にあり、分家の文助が天保七年に井戸を掘ったとの記録があります。分家より遅くないと推測できますので、天保七年以前に釜屋の井戸は掘られたと思います。明和以前にこの地に住み始めていますので、それでも約50年間湧き水生活をしていたことになります。湧き水の炊事場は米蔵の試掘から米蔵の北側と推測しています。
釜屋の井戸の底
釜屋の井戸覗くと石積みが見えます。
撮影 2017年10月
井戸は井戸浚えと言う井戸の清掃作業を数十年に一回していたようです。上水道を使用するようになり、最近はお行われていませんでした。今回、五右衛門風呂に使用する可能性があり、井戸浚えを業者さんにお願いしました。
撮影 2019年1月22日
周囲の石積を水を流しながらブラシで洗いました。上部の方は石積の隙間から土が見えていたようです。ゴミを流し底に落とした水をポンプで吸い上げ排水しました。
撮影 2019年1月22日
底を見えるまでとなり、上写真中央に木らしいのが見えます。
業者さんが底まで下って底を撮影しました。
撮影 2019年1月22日
釜屋の底は岩盤で、石積みの下に四角の木、胴木が敷かれていて、一部が折れていました。こちらの底には西の井戸のようなゴミは残っていませんでした。炊事用なのだろうか。
底の湧き水はきれいですが、雨が降ると上部の石積の隙間から水がしみ出すのでタタキで隙間を埋めました。
撮影 2019年3月28日
井戸の深さ7から8mで、底は岩盤でした。対地震の地盤調査でも堅く地震に強い土地となっていたので、合致します。
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